TMC2100でマイ3Dプリンターatomが超静音に!
どうもeastです。
もうタイトルからしてなんのことやらって人も多いと思いますが…。
毎度申し訳ございません。
熱溶解方式に限らず3Dプリンターは、というか、
モーターを使って動かすツールはぜんぶそうだと思いますが、
必ず、モーターの駆動音があります。ものによってはけっこう大きいです。
まぁアレですよ、ミニ四駆スイッチ入れたらぎゅいーんってなるでしょ?
私の持っている3Dプリンターatomの場合、
モーターはぜんぶで5つあり、これを同時に動かしながら造形するので、
当然、造形中はモーターの駆動音が鳴りっぱなしです。
造形が始まったら終わるまで、ずーーーっとぎゅいんぎゅいん言ってるわけです。
しかし!
ドイツの最新技術が、3Dプリンターの超静音を可能にした!
百読は一聴にしかず、ということで、動画をご覧あれ!
造形しているデータは巷でブームのテトラ、
使った機材はiPod touch第5世代とiMovie、
ZOOM IQ6 というマイクの録音レベルをMAXにしています。
ぜんぜん違うっしょ!
動画の前半は緑色のフィラメントでテトラを造形、
Pololu - A4988 Stepper Motor Driver Carrierというモータードライバーを
X軸とY軸に使っています。組み立てたatomのそのままですね。
後半では青色のフィラメントでテトラを造形、
TMC2100をX軸とY軸に使っています。
わざと、どちらにもZ軸には使っていません。
何が違うのかって、このTMC(右)やらpololu(左)やら、
ステッピングモータードライバーというパーツが違うんですねぇ。
3Dプリンターのモーターを制御するチップが備えられた部品なのです。
この「SilentStepStick - TMC2100 Schrittmotortreiber - Watterott electronic」は、
先月に出たばかりの最新パーツ。
流行りものにはだいたい手を出したい私east、
Reprapコミュニティで盛り上がっているのを見て、
さっそくドイツから取り寄せました。
フィラメントも含め、海外通販に慣れてきました(笑)。
さて、そんな最新パーツですが、
導入には気をつけなくてはならないポイントがあるようです。
①チップは下側
公式動画でトムがなにやら言っていますが、
チップを下にして裏側からヒートシンクをあてることで
冷却効率が上がるとかなんとか。ほんとか?
ピンのハンダ付けには気をつけましょう。
②モーターケーブルを逆にする
TMC2100を設置したらケーブルコネクターを逆に挿しなおしましょう。
私はいまいちどういう原理かわかってませんが、
実際そのままにしていると軸が指示した方向と逆に動いちゃうので焦ります。
③すべてのコンフィギュレーションピンをオープンにする
いろいろ調べたらドイツ語の使用レポートのページが出てきて
この言葉が引っかかってきたのです。なんのこっちゃと思いましたが、
はやい話、CFG1とCFG2から出ているピンをカットすれば良いようです。
これでこのパーツの本領発揮!
CFG3は最初からオープンになっているとのこと。何もしません。
④電圧は0.8V以上
買ったままでは適正値ではないため、
モーターにかける電圧・電流を調整する必要があります。
制御ボードに設置し、テスターをあてて電圧測定をしてください。
調整にはここを回せば良いのですが、めっちゃ細いマイナスドライバーが必要です。
実際に作業している写真がなくてすみません。
通常のatom、pololu4988では0.4Vにしていると思いますが、
TMC2100では0.8Vから徐々にあげてみるのがよろしいようです。
私の場合、0.8Vだと軸の脱調※用語後述がたまに起きるので、1.0Vにしました。
ちなみに、参考にしたのはReprapコミュニティジャパンを代表するお2人のブログ。
SilentStepStick | Genie's Blog
えとせとら: TMC2100 ステッピングモーター・ドライバー
私のような電気知識の浅い人間でも使えるようになりました。
感謝でございます。
atomユーザーさん、というか、なんかのマシンでpololu4988使ってる人、
マジで導入したほうが良いですコレ。
TMC2100 ステッピングモーター・ドライバー - ITショップ「えとせとら」
本家のウェブサイトではすでに売り切れてるみたいですね!
私が注文したときは500くらい在庫あったと思いますが…。
さて、こんなにも静音になった3Dプリンターatom。
もうヽ(`Д´)ノウルサイゾ!って言われることはありません。
まぁ私は。
ぎゅいんぎゅいん動いているのも3Dプリンターらしくて好きですけどね。
個人的にはモーターの駆動音は気にならないし。
今日はこれまで!
※3Dプリンターの脱調
FDM方式の3Dプリンターは、X、Y、Zの各軸をモーターで制御し、
ノズルとベッドを動かして溶かしたプラスチックを積み上げて造形していきます。
脱調と呼ばれる現象はこの軸のどれかが不具合を起こし、
想定外の動きをすることによって造形がうまくいかなくなる状態を指します。
左が、TMC2100の調整不足で起きた脱調で、定期的にX軸にズレが起きています。
同じような現象は、モータードライバーの調整不足以外にも、
モータードライバーに装着されているチップの冷却不足や、
軸を動かすためにモーターにつなげているベルトの調整不足でも起きます。
きれいな造形物を得るためにも、メンテナンスは欠かさずに行いましょう。
右の造形物も、正常、と書いてはいますが、
積層面が荒れているためぼちぼちメンテナンスしないとですね。