部屋と3Dプリンターと私 ~前編~
どうもeastです。
主に、3Dプリンターでヨーヨーを作っています。
メイカーズバザールでもお客さんとそんな会話になったし、
友人と話したりしているとちょいちょいもらうのが、
「切削とかでやったらいいじゃん」
「金型でやったらダメなんですか」
「なんのメリットがあるんですか」
今回は、こうした疑問に前後編で答えようと思います。
これね、
3Dプリンターを一般的な素材加工マシンとして考えてしまうと、
やっぱりよくよく出てくる質問だと思うんです。
結局数多くある加工手段のひとつなので、
これに強くこだわる理由ってそんなにないと思うんです。
私がこだわっているというか、
積極的に使っている理由はいくつかあるんですが、
最近は「デスクトップで完結する」ということが非常に大きいです。
日本のモノ、製造物のクオリティに慣れている場合、
それと同等のモノを作ろうとすると、
大きくて精度の高い加工マシンや切削機械が必要になり、
また機械操作の習熟も必要で、
置く場所、騒音、メンテナンス等々、
自宅にこれを置いて、恒常的に利用すること、
特に平日フツーの仕事を持ってる人が片手間に扱うには困難を極めるでしょう。
しかし、3Dプリンターなら、
机の上に設置して電源を繋いだら終わりです(とりあえずは、ですが)。
※音は、気になる人は気になるかな…。私は気になりませんが。
家で作ったデータが、すぐ家で造形される、
ということが非常に大きな利点なのです。
細かいことを言っていくと、
自分で3Dモデリングをしたり、
造形したい3Dデータを見つけてダウンロードしてこないと、
結局あんまり意味のないものだったりもするのが3Dプリンターですが、
そうは言っても、
工場や加工屋に何か作りたいもののアイデアを持って行く時にも、
必ず図面は必要になります。
餅は描かないと絵にもならんのですよ。
ちなみに、日本の製造業って、
非常に高度な作業を要求される加工でも、
高い技術と理解力を持った職人がたくさんいたおかげで、
2次元の図面を使った依頼で済んでたんですって。
日本がそうやって手図面レベルの平面CADを使って
モノを作って海外に売って儲けている間に、
特に欧米の製造業では3次元図面が主流となり、
今の3Dプリンター、メイカームーブメントの盛り上がりに至るんですって。
若干情報が足りてなくても意図や構造から正解を作ってしまう日本の職人
VS
あいまいな表現や情報を排して進んだ欧米の製造手法
人 対 手法、というのはおもしろい視点だと思うんですけどね。
少し話それましたけども。
切削でやるべき、金型でやるべき、という手段の話ではなく、
「どこでやるべきか」という視点に転換していくと、
少し3Dプリンターの見え方が変わるんじゃないかなって思います。
高精度でちゃんとすごいもの作ろうと思ったら、
東京・大田区や大阪・東大阪の町工場に持っていったほうが話早いですよ絶対。
すげぇお金かかると思いますけど。
今日はこれまで!
後編はそんな、コスト的な話です。